2018年9月25日 組込みフラッシュのIP供給会社である株式会社フローディア(以下、「フローディア」)にて、台湾のウェハファウンドリ会社であるPowerchip Technology Corporation(以下、「PTC」) は、フローディアの組込みフラッシュ(eFlash)IP、LEE フラッシュG1(以下、「G1」)を採用したSOC、3製品を搭載した12inchウェハ(90nmプロセス)の生産が30,000枚を超えたと発表しました。 PTCの90nmプロセスノード上のG1に2~3層のマスクを追加することで最大1Mbまでのメモリ容量を搭載可能な、最小コストのソリューションを実現しました。
フローディアのG1は、急成長を遂げている下記の2つの市場分野に対応しています。
(1) 最も費用効果が高く、85℃で20年のデータ保持の保証を要求される、SoCやIoTアプリケーション分野
(2) 費用効果が高く、高信頼性で150℃で20年のデータ保持の保証を要求される産業用および自動車用途グレード分野
いずれの用途に於いても、100K回の書き換え耐性を保証しています。
マイクロコントローラ、銀行カードやセキュアチップ、IoTエッジコンピューティングデバイスおよび様々なシステムオンチップ(SoC)デバイスへのフラッシュメモリの組込の需要が、急速に高まっています。その為、コスト効率が高く信頼性の高いeFlash IPが求められています。現在市場を支配しているスプリットゲート型eFlashソリューションは継続的なコスト削減の努力にも拘わらず高いのが現状ですが、G1はベースのCMOSプロセスに、2~3層のマスク層のみを追加(業界では最低追加コスト)することで、最高水準の信頼性を実現しました。
フローディアCEOである奥山幸祐は「フローディアのeFlash技術であるG1は、日本のIDMで20年以上にわたって自動車用MCU向けに量産実績のある、非常に費用対効果が高く、堅牢な構造をもっている1T ONOベースのeFlash技術です。また、PTCは、最先端の90nmプラットフォームを構築するための素晴らしいパートナーであり、複数社の企業との関係を構築し、そのうち3社が量産段階に入ったことを嬉しく思っています。我々はPTCとの関係をさらに強化し、90nm eFlashプラットフォームの可能性をもつ、多くのお客様と関わることを楽しみにしています。」と述べています。
G1は、Oxide-Nitride-Oxide(ONO)型電荷保持トランジスタ構造を基本とし、Fowler-Nordheim (FN) Tunneling効果によってプログラムと消去の両方の操作が行うため、消費電力が非常に低いという利点があります。 また、マスクの追加が非常に少なく、テスト時間とベーク時間を最短にすることで、お客様のコストを大幅に削減することができます。更に最も顕著なG1の特徴の1つは、プロジェクトの開始開始から、わずか15ヶ月と非常に短い時間で量産の歩留を99%以上のまであげることができます。
【 株式会社フローディア 】20年以上にわたり日立/ルネサスで、組込み不揮発性メモリを開発していた経験豊富なエンジニア達が独立して2011年に設立されました。製造プロセスや回路設計を含む知的財産(IP)のライセンスを提供しています。開発チームは、回路設計者だけでなく、製造プロセスの専門知識を持つエンジニアで構成されています。現在、180件以上の特許を取得、出願または出願中です。
【 Powerchip Technology Corporation 】Powerchip Technology Corporationは、1994年12月に新竹科学園区(サイエンスパーク)に設立されました。従業員数4,800人、資本金222億台湾ドルで、国内外の主要な半導体産業へウェハファンドリサービスを提供しています。